■遺伝
近親者に高血圧の人がいると、高血圧になりやすいと言われます。
高血圧になりやすい体質は遺伝するということです。
両親がともに高血圧の場合、その子が高血圧になる確率は約60%にもなり、逆に両親ともに高血圧でない場合、その子が高血圧になる確率は5%以下とのことです。
■生活習慣の危険因子
生活面での原因としては、 塩分の摂り過ぎ、肥満、運動不足、飲酒、喫煙、ストレス、加齢、気温(寒さ)などが挙げられます。
◇塩分の摂り過ぎ
高血圧の最大の原因は「ナトリウム(塩分)の摂りすぎ」です。
塩の主成分であるナトリウムは体内で水分を貯留させるので、血液中の水分量が増えます。
血液量が増えると血管の内圧が上がり血圧が上昇します。
そして、ナトリウムを体外に排出するのが、カリウムやカルシウムといったミネラルです。
高血圧を予防するには塩分を控えるとともに、ナトリウムを体外へ排出する作用のあるミネラルを積極的に摂るようにすべきという考え方もあります。
減塩することは高血圧だけでなく腎臓や心臓の機能を守ることにもつながり、多くの病気の予防になります。
日本人の塩分の1日摂取目標値は男性10g、女性8gですが、高血圧症の人は6gに塩分制限されています。
◇肥満
肥満になると体の体積が大きくなるので、心臓から送り出す血液量も増え、血圧が上昇します。
また体脂肪がたくさん体に貯まると動脈硬化も進行します。
肥満は高血圧だけでなく他の生活習慣病の温床となるので、適度な運動で解消する必要があります。
◇運動不足
適度な運動は、血管を広げて血流がスムーズにし血圧を下げます。
運動不足は血流が滞りやすいので血圧上昇につながります。
運動は前述の肥満防止にもなるので生活に取り入れるようにしましょう。
◇飲酒
アルコールは、適量ならば血管を広げるので血流がスムーズになり、血圧を下げます。
しかし過度のアルコール摂取は逆に血管が収縮して、血圧を急上昇させてしまいます。
飲酒は適度な量(コップ1杯くらい)をたしなむ程度にしましょう。
◇喫煙
喫煙は少量であっても百害あって一利なしです。たばこを吸うとニコチンが体内に取り込まれます。
体内に入ったニコチンは副腎を刺激し、血圧を上げるホルモンを分泌させます。
また、交感神経も興奮させるため血圧は上昇します。
長期に渡る喫煙は動脈硬化も進行させ、狭心症や心筋梗塞のリスクを高めることになります。
その他の要因としては、ストレス、加齢、気温(寒さ)などが挙げられます。
加齢や気温は不可抗力ですが影響を軽減する工夫はできますし、ストレス解消には運動がたいへん有効です。