高血圧の本当の怖さは様々な合併症にあります。
■動脈に起こる合併症
動脈硬化で血管の壁が傷つきもろくなっているため、大動脈の強い圧がかかる壁に瘤が出来やすくなります。
この瘤を大動脈瘤といい放置しておくとどんどん大きくなりいずれ大動脈破裂を起こします。
■脳に起こる合併症
動脈硬化が進むと脳卒中がおきる確率が高まるのです。
脳卒中は、脳出血、くも膜下出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作の4つに分類されます。
脳の動脈に動脈瘤ができ、それが破裂するものが脳出血。脳出血の一種のくも膜下出血は、血圧の急上昇と関係が深い症例です。
脳の血管に血栓ができ、血管がつまって血流が滞ってしまうのが脳梗塞。
一過性脳虚血発作は、血管が細くなり一時的に脳への血流が不足しておこる病気で脳出血、脳梗塞の前兆といわれています。
■腎臓に起こる合併症
大動脈に血液を送り出している心臓の壁に強い圧がかかり続ける事で、心臓の壁が厚くなります。
これを心肥大といい、心肥大が進行すると心不全をおこしやすくなります。
また、心臓の冠動脈が動脈硬化により狭くなると一時的に血流が途絶えることがあります。
これが狭心症の発作で、心筋梗塞につながる危険性があります。
■動脈に起こる合併症
腎臓の細動脈で硬化が進行すると、腎臓は固く小さくなって腎機能低下を起こします。
さらに進み腎不全に陥ってしまうと、人工透析が必要となります。
■目に起こる合併症
網膜の動脈硬化が進むと、網膜に小さな出血や白斑ができるようになります。
さらに進むと視力障害がおこり、眼底出血に至ると失明する危険もあります。