ダイエットによって血圧が下がった例が、多数報告されています。焦らず着実に減量を成功させましょう。
無理をせず、ゆっくりダイエットを肥満をともなう高血圧の人がダイエットを行うと、4~5kgの減量でも血圧降下が期待できます。しかし、急激な体重の減量は、健康に害を及ぼすので、無理のない方法で、長期的に着実なダイエットを目指します。肥満の原因は、ほとんどの場合、長年にわたる過食と運動不足の積み重ねです。つまり、減量を行う際は、この生活習慣を改める必要があり、食事からとる1日の摂取エネルギー量を抑え、適度な運動を習慣化することが2本柱となります。「運動で集中的に減量しよう」とか「ダイエット食品でやせよう」と考える人も多いですが、運動による消費カロリーは案外少なく、1kg減量するのは簡単ではありません(7000kcalの消費が必要)。また、ある特定の食品をとっただけで体重が減るのは、利尿薬含有による水分の排出から起こることが多く、根本的に体脂肪の減少にはつながらないので、注意しましょう。体に負担をかけず、精神的に無理のない減量は、1か月に体重の3~5%を減らす方法です。まずは、自分の体重を考えて減量プランを作ってみましょう。大切なのは、短期間で結果を出そうとせず、気長に実行し、適正な食生活と運動の習慣をつけることです。目標の体重まで達したあとは、1日の適正摂取エネルギー量を守り、運動も継続することによって、適正体重を維持できます。
体脂肪の減らし過ぎは危険
ダイエットは体脂肪の減少を目指して行いますが、減らし過ぎると、健康に害を及ぼすので注意が必要です。体脂肪は、体を動かす正ネルギーの貯蔵庫であり、寒冷刺激や暑さから臓器を守って体温調節を行い、血圧のコントロール、糖代謝、食欲の調節、免疫や性機能に関わるホルモンを分泌しています。ダイエットはBMI18.5未満にならない範囲で行いましょう。また、近年は体脂肪が測定できる体組成計が各種出ていますが、男女別の適正範囲は右のものです。【体脂肪の適正範囲】男性…15~20%/女性…20~25%
運動消費カロリーと食品カロリーの目安
無理のないダイエットでは、1日400~600kcalの消費をプラスしてゆっくり着実に体脂肪を落としていきます。一般的な運動での消費カロリーと、日常食のカロリーの目安を知っておくと、簡単な計算で減量プランが立てられます。