腎性高血圧の検査と診断

腎性高血圧の検査と診断については、本質的には腎硬化症と同じです。

 腎血管性高血圧では、この病気を疑わせるものとして、(1)高血圧の家族、親類がいない、(2)25歳以下あるいは45歳以上で、重症の高血圧になった、(3)突然に発病した、(4)腎臓の病気をしたことがある、(5)腎臓部の外傷や腎臓の手術を受けた後に高血圧になった、(6)腹部、側腹部に血管の雑音が聞こえる、(7)降圧・利尿薬や交感神経遮断薬(α(アルファ)遮断薬、β(ベータ)遮断薬)の効果があまりないが、アンギオテンシン変換酵素阻害薬が効く、などがあげられます。
 これらにあてはまる場合は、検査が必要です。

スクリーニング検査
 腎血管性高血圧を見つけるには、(a)血清(けっせい)カリウム値が低い、(b)末梢血レニン活性が一般に高い、(c)カプトプリル(アンギオテンシン変換酵素阻害薬)の服用試験で、末梢血中のレニン活性がかなりの高速で上昇する、(d)急速静注排泄性腎盂造影(静脈に造影剤を注射し、それが尿にまじって腎盂に出たところをX線撮影する)で造影しにくい、(e)レノグラムや腎シンチグラフィで機能低下がみられる、という5種類の検査でふるい分けます。

確定診断検査
 スクリーニング検査でひっかかったら、入院して、腹部大動脈・腎動脈の造影(実際の腎動脈血管病変部を確認)、腎静脈血中のレニン活性の測定などの検査をし、最終的に腎血管性高血圧と診断されます。




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