標準的な体重を維持することは、高血圧の予防だけではなく、健康な生活のベースになります。肥満の解消に取り組みましょう。
肥満は合併症のリスクを高める健康な一生を送るためには、適正体重を維持することが重要です。肥満は高血圧を引き起こす主要因子であり、肥満と高血圧の両方をかかえた状態が続くと、動脈硬化や心臓病などの合併症が起こりやすくなります。特に注意が必要なのは、腸のまわりに体脂肪がたまる「内臓脂肪塑肥満」で、これを放置しておくと、軽度の高血圧であっても、メタボリック・シンドロームによって動脈硬化が進行し、命に関わる病気を誘発します。よって、高血圧で肥満がある人の療養には、適正体重までの減量と維持が必要不可欠です。また、高血圧で肥満が見られない人も、現在の体重を保つよう心がけましょう。適正体重の維持は、高血圧だけでなく、ほかの生活習慣病の予防にも効果的です。
2種類の肥満(内臓脂肪型肥満・皮下脂肪型肥満)
肥満は、体脂肪のつく部位により、内臓脂肪型肥満と皮下脂肪型肥満に分かれ、体型から、それぞれ「りんご型肥満」「洋なし型肥満」とも呼ばれます。高血圧などの生活習慣病と関係が深いのは、内臓脂肪型肥満で、腸のまわりの腹膜の一部「腸間膜」に脂肪がつき、その細胞からインスリンの働きを妨げる物質が分泌され、インスリン抵抗性が生じます。それが高血糖、脂質異常を引き起こし、さらに高インスリン血症が生じて、高血圧を誘発します。一方、皮下脂肪型肥満では、お腹やお尻、太ももにかけて脂肪がつきます。
減量目標はBMI25・0未満が目安に適正体重は、体脂肪のつき方が健康を保ちやすい状態であることを示します。その基準を簡単に割り出せるのが、国際基準の計算式BMI(ボディ・マス・インデックス)です。BMIは、身長と体重から算出することができ、日本人の場合、18.5以上25.0未満が普通体重で、生活習慣病かかりにくい健康な範囲とされます。減量はこのBMI25.0未満を目標に行います。
BMIの計算方法
標準体重を算出する国際基準BMI(体格指数)は、以下の計算式で求められます。
①BMI=体重kg÷(身長m×身長m) ②標準体重=(身長m×身長m)×22.0
男性の高血圧と肥満かつて日本では、食塩摂取量が非常に多い、痩せ型の男性に高血圧の症状が多く見られました。しかし、90年代以降は、肥満から高血圧を発症する男性が多くなってきています。