腎性高血圧とは

腎性高血圧は、腎実質の病変による高血圧をいいます。

 二次性高血圧(原因がはっきりしない本態性高血圧に対して、原因がある程度わかっている高血圧)の原因の約半数は、腎臓病によっておこるものです。

これは、全高血圧症患者の2~5%にあたるといわれています。

腎臓の障害が進むと、高血圧が増強しますし、高血圧が続くと腎障害も進みます。
腎性高血圧がおこるメカニズムとして、①腎臓が尿として水分やナトリウムを排泄(はいせつ)する量が減り、体内に水分やナトリウムがたまる(体液、血液量が増える)、②血管の病変などで腎臓への血流が減少すると、腎臓は血圧を上昇させるようにレニンの分泌(ぶんぴつ)を増やす、③同様にして、血圧を下げる伝達物質であるカリクレイン‐キニン系の分泌が減少する、などが考えられます。
 
腎性高血圧で腎臓の障害が進むメカニズムとして、糸球体高血圧説がいわれています。

腎炎などによって、実際にはたらくネフロン(一糸球体を中心とする尿をつくる最小単位)が減少したり、糖尿病などで腎臓に入る細動脈が拡張して糸球体の毛細血管(もうさいけっかん)の血圧が上がり、その結果、糸球体が障害され、実際にはたらくネフロンがさらに減るという考えです。

腎血管性高血圧とは、左右の腎臓の一方または両方の腎動脈の本幹や、枝分かれした主要な動脈が狭くなって血圧が上がる病気です。

血管の内径が、70%以上小さくなると、腎臓を循環する血圧が低くなり、この病変をおこした腎臓から、血圧を上昇させる物質であるレニンが分泌されます。



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